2023.1.25スキルアップ
ブリッジSEのキャリア形成に有効な掛け算志向について

昔読んだ堀江貴文さん著の「多動力」で「自分の肩書きを増やし、それを掛け算することで価値ある人材になっていけるよ」といった考え方に初めて触れ、感銘を受けました。
それ以来、掛け算志向を意識して行動することで独立することができ、ブリッジSEという自分にとって天職とも言うべき職種に巡り合いました。
同じようにこれからブリッジSEを目指す人がどんどん増えてほしいので、私がここに至ったプロセスを共有します。よかったら参考にしてください。
ブリッジSEのキャリア形成:まずはビジネスチャンスの見極めから
ブリッジSEを目指すといっても、この職種が今後も顧客から求められ続けるのかどうか?本当に価値がある仕事なのかを見極めることが重要です。需要がなくなって、これまでの努力が無駄になっては意味がないので、私はまずそのあたりを自分の頭で考えました。
市場にチャンスは眠っているか?国内のIT人材は十分足りているか?
自分の頭で考えるべき問いはこれだ!と思い、調べました。国の調査が一番信頼性が高いと思ったので、当時の経済産業省のデータを分析しました。すると国内のIT人材は大幅に不足し、国内のIT人材供給力が大幅に低下することが試算されていたのです。

ここに書いているように、2015年で17万人、2030年で59万人が不足すると試算されていました。ここから想定される企業の動きはおそらく以下の2方向だろう、と考えました。
企業は「既存人材の育成」と「外部からの調達」を両方行うだろう
企業は生き残りをかけて「育成」と「海外人材を含めた外部からの調達」をどちらも行うと思いました。日本は人口が減少しているので、既存人材の育成だけでは賄えないのと、出生率も下げ止まったままだから、将来にわたって安定的に人材を確保するには長期的に外部調達が必要になってくると思いました。その場合、日本と海外の架け橋になれる人材がいないと、組織をまとめるのは難しくなるだろうと思いました。
ということで「(エンジニアを含めた)海外IT人材との架け橋となる日本の人材が必要」というニーズは長期的なニーズになると考えました。
IT業界の中でも重要市場はどこか?
市場にニーズがありそう、ということは分かりましたが、次は「ITの中でもどの業界が有望か」を見極めることが大切。需要が少ない場所で活躍しても自分の価値は下がるだけなので、有望市場を見極めることとしました。すると、同じ経済産業省の資料にこんな記載がありました。

この資料の要点は「これまではクラウド、セキュリティ、モバイル端末が重要だったが、これからはビッグデータ、IoT/M2M、AIが重要になる」というもの。よって「これらの重要業界で活躍できるブリッジSEになれば価値が高そう」というのが当時見極めたビジネスチャンスでした。
この資料は2016年のものですが、現在のIT業界は全般的にここに書いているような流れになっていますよね?データ、IoT、AIは当時から世界中で注目されていたので不可避の流れだとは思いますが、国の資料を参考にするのは悪くないなと思います。
チャンスはあるけど経験は浅い。そんな時はどうする?
さて、チャンスを見極めたら、自分がその業界で活躍できるように動いていかなければいけません。でも当時の私にはそこまで十分な経験がありませんでした。なので最終ゴールを先ほどの重要業界のどこかにすることにして、まずは自分の得意分野でそれらに近い業界で経験を積むことにしました。
私はこの時点で独立を決意しました。不安しかありませんでしたが、やらなかったら後で振り返った時に後悔する。後悔したくないから頑張ろう、という気持ちだけで独立しました。そんな私が最初に選んだのはこんなプロジェクトでした。
オフショアパートナーにUI/UXディレクションを行うプロジェクトにフリーランスとして参画
とあるIT企業でUI/UXディレクション案件があり、英語メインでディレクションするプロジェクトがあったので、そこで経験を積むことにしました。
参画してみてわかったのが、意外と自分の英語力(コミュニケーション力)がクライアント様から評価されるということでした。独立前は周りにすごい人ばかりいたので、自分のの能力に気づきませんでした。フリーランスとして企業のプロジェクトに参画してみると、結構オフショアパートナーと交渉できたり、オフショアチームや先方のスタッフさんから信頼を得るのが得意だったりと、いろんな部分で評価いただけていることを実感できました。
そういう経験をすると自分の自信につながるので、英語でのコミュニケーション力は対外的に自分に強みとしてアピールできそうだな、ということもわかってきました。
一方で、大規模開発の現場に参画したのは初めてだったので、開発フローの理解やツール類の活用については他の人から学んだり、本を読んで経験を積みました。
一定の経験ができたタイミングで、いよいよ本丸の重要業界(私の場合はIoT/M2M)のプロジェクトにチャレンジし、今に至ります。ここで効果を発揮したのが、冒頭でお伝えした「掛け算志向」です。最も大切なことは以下のような考え方です。
ブリッジSEの掛け算志向 = 相手の苦手分野に貢献できるか?
私と仕事をしたいと思ってくださる人や企業のニーズに対して、自分のどういう強みをアピールすることが、両者がハッピーになる仕事につながるのでしょうか?私は「相手の苦手分野を、自分の強みで解決できる時」にそうなると思います。
人も企業も、自分の得意なことは自分でやります。自分の苦手なことは、他の人にお願いして解決しようとします(それをアウトソーシングと呼んでいる理解)。私はその原理を当てはめて、重要業界にアクセスしました。
スキルの掛け算 = バイリンガル人材としての実績 x IT業界での長い経験
アクセスするにあたり、周囲の人々にこんなコミュニケーションをすることから始め、今に至ります。
「重要業界でバイリンガル人材不足に困っていないか」
「オフショア開発パートナーとのコミュニケーションでアピールできる実績がある」
「今の私には重要業界の知見はないかもしれないが、IT業界での経験は長い」
「まずはオフショア開発パートナー様とコミュニケーションを円滑にすることには貢献できる」
クライアントが解決したいことが海外パートナーとのコミュニケーションの問題であれば、まずはそこで価値提供する。業界ならではの知見は学びながら慣れていく。こんな姿勢で日々のプロジェクトに取り組み、クライアント様と信頼を構築していきました。まだまだ課題はたくさんあるので、現状を謙虚に受け止め、これからもいい仕事ができるように走りながら学んでいます。
どうせやるなら高いレベルで
どうせやるなら難しい問題を解決することに貢献したいし、そのために努力して成長したいと思っています。試行錯誤の後に結果が出ると、やっぱりクライアント様からも感謝されるし、嬉しいものです。
まずは自分の頭で考えて、目標達成のために周囲を巻き込みながら行動すること。そしてチャンスを掴みにいく時は、クライアント様の苦手分野を自分のどの得意分野やスキルで価値提供できそうか考えること。それが複数あれば、それだけクライアント様に提供できる価値も多くなります。
この記事がこれからブリッジSEを目指す方の参考になれば嬉しいです。私もまだまだ未熟なので、負けないように頑張ります。
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