2023.3.1プロジェクトマネジメント

プロジェクト初期にプロジェクトマネジメントの質を高めるコツ

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開発プロジェクトはメンバーの色々な経験を通じて改善点が見つかり、質が高まっていきます。自分で改善点を思いつく時もあれば、周囲の人のアイデアが改善の糸口となることもあります。ここ最近行った改善のうち、プロジェクトの初期段階で質を高めるためのコツがわかってきたので、一旦まとめたいと思います。なお、初期段階とは大体以下の赤枠のあたりのことを指します。

POと優先度を握る

基本的にシステム開発は年中繁忙期、というぐらい常に開発アイテムが目白押しで、優先案件は常に競合状態にあると思います。とはいえ開発リソースは有限なので、その中でも優先度をきっちり決めて、合意内容に基づいて開発を進めていくことが大切です。

優先度が決まれば、その後の調整がしやすくなる。公式に優先度を関連部署に告知すれば、それを正として物事が進んでいくため、やりやすくなります。

要求整理をする

優先度を決めたあと何もせずに要件定義に入ると、要件が明確になっておらず仕切り直し、となるケースが稀にあります。開発要件に落とし込むために何を伝えるべきなのかがわかっていない人がPOになっていると、仕切り直しが多い印象があります。

よって、要件定義の前に「要求整理」を行って、ビジネス要求をシステム要件に落とし込むために最低限必要な情報が揃っているかをPOとすり合わせることが有効です。

  • 起票背景
  • 現状の課題
  • 開発目的
  • ゴール
  • 要件のたたき台
  • この開発による影響範囲

このあたりが網羅できていれば、関係者全員が同じ認識で要件定義できるような感覚があります。要求整理はビジネスとシステムの繋ぎの部分なので、一旦ここでしっかり認識合わせをすることが大事です。

要求整理は地味だけど、これをやっておかないとプロジェクトの質の低下を招き、案件優先度が下がり、最悪塩漬け状態になるリスクがあります。

Devメンバーの余裕リソースを数値化、可視化する

週1ぐらいの頻度で開発リソースの空き状態をチェックし、対応できる案件を増やす機会がないかを検討すると良いです。これにより助かった案件(リリース時期を早めることができた案件)がいくつかあったため、数値化、可視化はPM、Devチーム双方にとってかなり有効な施策と認識しています。

数ヶ月先までのスプリントを作る

上記に関連して、先のスプリントをJIRAなどの管理ツールに作っておいて、後続案件の予定を見える化しておくと、今後どのタイミングでどんな開発案件が入りそうかわかります。そうすることで関係者間でも先の予定が立てやすくなるので便利です。

バックログを定期メンテする

バックログは定期的にメンテナンスし、優先度が高いものから低いものまで段階的にわかるようにしておくと効率的です。各案件がどんな理由でスプリントに組まれていないのかがわかればさらに良いと思います。

スプリントに入っていない理由がビジネス的事情なのかシステム的事情なのか、その辺りが明確になるようなチケットの仕分けができていると、状況把握がしやすくなります。

まとめ

POとDevはまったく違う視点でビジネスをしており、お互いを完全に理解し合うことは無理だというのが持論です。その間でプロジェクトを推進するPMは、客観的に物事を観察し、課題を発見した時「何が問題で、それをどのように正すか」という建設的な議論をリードしなければいけません。

そのためには、今回紹介したような考え方で、プロジェクト各フェーズで物事を見える化して問題を察知することが有効です。現場でやってみて実感していることなので、ぜひみなさんの現場でも検討してみてください。

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