2023.1.11プロジェクトマネジメント
チームビルディングの過程で起こる問題に備えよう

転職や新規プロジェクトへの参画、人事異動などで、みなさんも新しいチームに所属し業務をされていると思います。そしてチームに所属すると、必ずチーム内部の問題が起きると思います。
問題に直面した時、みなさんはどのように向き合っていますか?問題の表面だけを捉え対処しようとすると、うまくいかないときにストレスを感じることが多いのではないでしょうか。
実はチーム形成にはフェーズがあり、それぞれに特徴があります。そこを理解して状況分析をできるようになるだけで、冷静に問題に向き合うことができるだけでなく、解決に向けた打ち手が見つかりやすくなります。
今回はそんな「チーム形成の過程で起こる問題」に対処するための考え方についてご紹介します。
チーム形成のフェーズごとにみられる特徴は?
チーム形成の過程には以下の表に示すような段階が存在します。それぞれのフェーズで対処すべきポイントをご紹介します。
プロセス | 概要 | 特徴 |
Forming | チームができあがる「形成期」 | 指示待ち型組織に陥りやすい |
Storming | 議論し衝突する「激動期」 | 生産性低下 |
Norming | メンバーが規範を作りはじめる「規範形成期」 | 共通の価値観が生まれる |
Performing | チームとして機能する「実現期」 | チームが結束する |
Adjourning | チームが解散していく「終了期」 | チームの役割が終わる |
Forming(形成期)
形成期はチームが出来上がる時期のことです。この時期のチームは、指示待ち型のスタッフばかりになる傾向があります。
組織が目指すべき方向は決まっているが、目標達成するための行動指針については明確な方針がなく、メンバーの士気は高いが誰かが明確なリーダシップを発揮しないとチームがうまく機能しません。
よってリーダーは自らメンバーに声をかけ、意見を求め、メンバーが主体的に行動できるようなルール作りに奔走する必要があります。またメンバーも、チームが協力的で自分の仕事にプラスになるようなルール作りが必要な旨を、リーダーに提案することが必要です。
Storming(激動期)
激動期は、メンバー同士の衝突が増え、チームの雰囲気が悪くなり、生産性が落ちる傾向があります。なぜ衝突が増えるかというと、お互いの価値観を擦り合わせ、お互いの言い分を理解しないとチームで成果を上げることができないステージにいるからです。
この時期に重要なのは「相互理解」です。意見の違いはどこから生まれているのかを冷静に分析し、解決に努める忍耐が必要です。自分の意見を通すことよりも、他の人はどういう経緯で別の意見を主張しているのかを理解することが重要です。衝突という言葉が表すように、意見の食い違いによる不仲が露呈する時期になるので、そういう時こそ周囲の意見を聞く姿勢が求めれます。
それができる人は、リーダーやメンバーから一定の信頼を獲得することができ、チーム運営のあらゆる局面で頼りにされます。獲得した信頼がリーダーシップ発揮に大きな効果を発揮します。
また激動期は大抵の場合、どんなチームやプロジェクトに所属していても起こるべくして起きます。重要なことは相手を傾聴し、意見の違いがあってもいいと認め合う空気を作り上げることです。
Norming(規範形成期)
規範形成期に入るとチーム内に共通の価値観が生まれ、ようやくチームとして統一した考え方のもと動くことができるようになります。
この時期から、チーム内で起こる小さな成功事例を歓迎しチーム内に共有していくことで、メンバーの心境にポジティブな変化が起き、徐々に協力的なメンバーが増えていきます。
しかし、規範形成に入ったとしてもチームの価値観に改善が必要であれば、一度激動期に戻り、新たな価値観構築に向けてさらに衝突が起こる可能性があります。しかし一度激動期を通過しているチームは、以前よりもより建設的に議論を重ね進化していくことが可能です。
Performing(実現期)
実現期はチームとして機能している時期になります。目標達成に向けてメンバーそれぞれがやるべきことが明確になり、主体的に動くことができている状態です。
この時期に大切なのは「なぜ我々はこの目標を達成すべきか?」という理念の部分をメンバーが再認識する機会を設け、確認しあうことです。これを達成することで社会のどんなことに貢献できるのか、世の中はどのように変わっていくのかなど、より本質的なテーマに昇華させてチームを鼓舞することで、より強固で協力的なチームへと進化を遂げることが可能になります。
Adjourning(終了期)
終了期はチームの役割を終える時期になります。企業や組織の活動は継続しているため、本当の意味でのチーム解散ということにはならないでしょう。しかし所属メンバーの異動やプロジェクトの終了などで、同じ価値観のもとで活動していたチームが解散する、という状態になります。
この時期に大切なのは、チームがやり遂げた実績を定量的、定性的に共有し、次に所属するチームでも活躍できるようにメンバーの功績を讃えあうことです。メンバーそれぞれの立場でいろいろな苦難や衝突を乗り越えて今を迎えています。次のチームやプロジェクトに所属しても活躍できるように、「あなたはチームの何に貢献したのか」を明確に認識してもらうことが大切です。
あなたが所属するチームやプロジェクトにて、上記に少しでも当てはまるケースはありましたでしょうか?
また、ぞれぞれの段階においてリーダーだけが状況を把握し、改善に向けて行動すればそれで問題は解決しそうでしょうか?答えはもちろんNoです。
リーダーだけでなくメンバーにも有効
メンバーもこれらの傾向を認識し、改善に向けて行動することが重要です。
なぜなら、上記を知っているだけでチームの状態を把握できるだけでなく、リーダーに改善案を提案できることにもつながるからです。また認識することで、自分が主体的に課題解決を主導できる立場に自分をアップデートしていくことも可能になります。
自分が持っている課題認識の質の高さによってビジネスパーソンは成長し、自分をアップデートし続けることが可能です。もちろん所属する会社に与えられた立場によって、これまで見えていなかった景色が見えることで成長することもありますが、それと同じぐらい課題認識の質は重要です。
自分がいる立場に関係なく、自分が感じる課題を解決できるよう、高い意識でビジネスをしていきたいですね。今日ご紹介したケースについて、ぜひ明日からお役立てください。
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