2023.2.22経営
ホルモン焼肉店から学ぶ顧客満足の作り方

先日行ったホルモン焼肉店での体験があまりにも素晴らしく、計らずもお店のファンになってしまいました。正直そこまでお店に期待していたわけではないので、感動の振れ幅が大きかったのかもしれません。
今日はそのお店のサービスからの学びを、自分のビジネスであるプロジェクトマネジメント業にどう活かせそうかを考えてみたいと思います。まずはお店での体験を紹介します。
どんなお店だったか
よくある巷のホルモン焼肉店、という感じのお店でした。席数は30席ほどで、夕方訪れた時は常連客が2割ぐらいいるような状態でした。顧客の回転はいい方で、2-30分に1回は顧客の出入りがあります。
店内は活気があり、スタッフは常に声をかけ合っていました。そしてスタッフは常に忙しく、お互いフォローし合って接客しているせいか、対応が早い、気持ちの良い接客をするお店でした。
入店から退店までの感動体験
そんなお店に入店してから会計して退店するまでの間に、こんな体験をして、とても気分良く過ごすことができました。
- 満席の店内で席が確保できた時、すぐに片付けて案内してくれる
- 空いている飲み物、食べ物があればすぐに席まで来て注文を聞いてくれる
- 丁寧に焼き方、食べ方の解説をしてくれる
- 付け出しのキャベツおかわりを、なくなるたびに聞いてくれる
- メガジョッキなどの割安提案をしてくれる
- 会計前に新しいおしぼりを出してくれる
また、自分が体験したこと以外でも、スタッフがこんなことをしているのを見かけました。
- 顧客の去り際にミスで通らなかった注文について詫びて、お店の改善点をヒアリングする
- 席案内など店内オペレーションでのミスをスタッフ動詞すぐ振り返り、次回に活かす
この辺りの体験を振り返ると、自分はスタッフさんの「先回り力」と「素直さ、真摯な姿勢」に感動していたんだということがわかりました。
「先回り力」とは、顧客が声をあげる前に先回ってニーズに合う対応をするということです。「素直さ、真摯さ」は、ミスを正直に認めて悪いところは誤り、次に活かすことです。またスタッフ同士客観的に行動を評価し合い、より良い運営に活かしている点も素直だなと思います。
スタッフの質の高さは経営戦略そのものである
数あるビジネスの中で、日本の飲食業は最も競争が激しく、攻略が難しいビジネスの一つです。飲食業には以下のような特徴があります。
- 参入が容易(賃貸契約と保健所の認可があれば誰でも開業できる)
- 固定費が重たい
- 利益の源泉である材料が食材であり、寿命が短い。長期間ストックできないものが多い
- 人材採用と定着が難しい。優秀な人材は退職し独立する
- ユニークな商品でも比較的コピーされやすい
- 風評被害がビジネス上のリスクになる
これらをみただけでも、非常に難易度が高いビジネスだとわかります。こういう業界特性がある中、高級路線で独自性を出すか、規模をきかせて利益を追求するか、その真ん中を狙うかによって、戦い方が変わってくる業界だというのが私の理解です。
今回ご紹介しているホルモン焼肉店は、スタッフの質の高さを自社の強みとして経営しているように感じました。「また来たくなるお店にするには?」という問いを掘り下げていった結果、周囲への気配りや目配りを行い、愛想が良く、対応が早い。しかもどのスタッフも一定以上の質感で同じサービスを提供してくれる。自社が悪い点は素直に謝り、それ以上顧客を嫌な気持ちにさせない。そんなお店のスタッフの総合力の高さがこのお店の強みだと思いました。
プロジェクトマネジメント業で活かせるサービス精神とは?
ではこの感動体験からの学びを自分のビジネスにどのように活かせるでしょうか?「またこの人に仕事をお願いしたい!と思っていただけるには?」という問いを掘り下げると、どのような行動や姿勢に落とし込めそうでしょうか?私なりに大切だと思うのは以下になります。
先回り力
- 顧客の業界について一通り調べて基礎知識を持っていること
- その業界の最新ニュースは常に頭に入れておくこと
- 顧客の競合他社の動きも知っておくこと
- スケジュールや計画を可視化して誰もが見えるようにすること
- プロジェクトにおけるリスクを前もって検知する分析力
- リスクヘッジ策を複数提案する能力
- 顧客の重視するポイントをヒアリングできる能力(例えば今はQCDのどこが大事かなど)
- 問題が起きた時に率先して真因を特定しに行く姿勢
- 周囲の困りごとに解決策を提示できること(自分が解決できなくても解決できる人をつなげる)
- 誰もが発言しやすい雰囲気づくり(誰かの意見だけに偏らないようにする配慮)
素直さ、謙虚さ
- 自分に足りない能力を埋める機動力(勉強して埋めるか他者との協力で埋める)
- 周囲への感謝をはっきり伝えることができること
- 困っていることをオープンにすること
- 悪いニュースは最優先で共有すること
ソフトウエア開発の現場でも、顧客が困っているというサインを察知して、先回ってソリューションを提示することはとても大切です。リスクが早めに特定できている時ほどプロジェクトのリカバリーも早く、いろいろな解決策を検討できます。
また素直で謙虚な姿勢を持ち続けることで、一人のビジネスパーソンとして信頼されやすくなると思います。常に冷静に状況を分析しながら業務にあたるのがプロジェクトマネージャーの基本姿勢です。だからこそ時には良識を持っているところや、人間らしい部分もあって良いと思います。
このホルモン店での体験を自分の仕事に置き換えると?という視点でも考えつつ、さらに良い仕事をしていけるように努力していきます。
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