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B2B SaaS

テクノロジーの進化、企業様のシステム購買志向の変化により、SaaS利用が選択肢の一つになっています。バックオフィス系業務から特定業界向けの製品まで、たくさんのSaaS製品がリリースされ、企業様の事業運営を支援しています。
SaaS製品の経営戦略は従来のものとは全く違う
SaaS製品は顧客ニーズの変化に応じて製品がアップデートしていく特徴があり、それが経営戦略にも大きな影響を及ぼしています。私たちの理解では、従来型の売り切りソフトとSaaS製品には以下のような違いがあると認識しています。
売り切り型ソフト vs SaaS製品 経営戦略の違い
売り切り型ソフト | SaaS製品 | |
販売戦略 | 契約までが重要 | 契約してからの関係性が重要 |
組織・チーム | 営業のみ | 営業 + カスタマーサクセス |
製品機能 | 固定、数年に一度アップデート | 継続的にアップグレード |
主要KPI | 販売数 x 単価 | 新規顧客成長率 x 離脱率 |
他社ツールとの連携 | 少ない | 連携できることが価値 |
顧客データ活用 | 限定的 | 顧客データを活用し製品を改善 |
SaaS製品は、顧客のフィードバックがあってこそ製品が磨かれていきます。契約後の顧客との関係性が重要であり、顧客の利用データから学び、継続的に改善しより良い製品を作っていく姿勢が求められると理解しています。
またSaaSは他社ツールとの連携ができるケースが多く、顧客のワークスタイルによって自由に活用できる点が利点です。その分製品には柔軟性や拡張性が求められると理解しています。
SaaS製品開発で重要な6つの視点
このようなSaaS製品の開発において、どのような点を重視すべきでしょうか?過去に参画させていただいたプロジェクトから学んだことは以下の通りです。
ビジネスモデルを理解すること
例えばチャットツールではネットワーク効果(利用者が増えるほど利便性が高まる効果)をテコのように活かし事業拡大することが求められますが、特定業界向けのSaaS製品ではコア技術の磨き込みが重要で、それがビジネスの成否を分けることがあります。
このように、業界特性を理解した上で製品の価値をどこに置くべきか、という視点で開発に関わることが大変重要だと思います。
顧客のペインを理解すること
「ユーザーは日頃どんな課題に直面しているのか?」という問いに向き合い続ける姿勢が大切だと考えます。ありきたりのように聞こえますが、ユーザー視点で考えることは簡単ではないと思います。
自分の考えにバイアスがかかっていないか?と自問しながら、より客観的な視点で開発に向き合いたいものです。
顧客のスイッチングコストが高まる機能開発を意識すること
どのSaaS製品にも「使い続ける理由」がなければ顧客は離脱します。この機能があるから使い続けたい。そんな機能が一つでもあれば、それが顧客にとっての利用価値となり、Win-Winの関係を維持することに繋がります。
スイッチングコストとはまさに利用価値のことであり、それを追求し続ける姿勢で開発にあたることが重要だと考えております。
もちろん利用価値を提供し続けることは試行錯誤がつきものです。それでも改善し続ける覚悟と忍耐を持って、プロジェクトに貢献したいと考えています。
アジャイル型開発を志向すること
外部環境が刻々と変化する現代において、開発スタイルが柔軟で俊敏であることは大変重要です。すべての機能をアジャイル方式で開発するのには無理がありますが、機能特性に応じてアジャイルを志向し、スピーディーにリリースをしていきたいものです。
品質にこだわること
どんな機能にも受け入れ基準(合否基準、Acceptance Criteria)が存在するものです。その認識をプロダクトオーナー、QAメンバー、ブリッジSEで合わせた上で一つ一つ確実にクリアしていく。
問題が生じた場合には優先度づけと期限設定を行った上で冷静に対処する。言葉でいうのは簡単ですが、こういったことをコツコツ対応していくことが、良い品質につながるものと思います。
データで判断すること
開発案件の優先度づけから不具合の影響度を試算することまで、あらゆることの判断基準には定量的な根拠が必要です。
数字は、誰もがバイアスなく判断できる物差しです。多様な役割を持つ人々がプロジェクトに関わるからこそ、客観的な判断材料を提案し、合意をとっていく姿勢が大切だと考えます。
ブリッジSE業務にて配慮すべき5つの視点
海外ベンダー様と共同で開発する場合、先方様にも上記のような文脈を理解していただく努力を続けないと、プロジェクトは期待しない方向に向かい、品質が維持改善できなくなるリスクがあります。
では海外ベンダー様とのコミュニケーションにおいてどのような点を重視すべきでしょうか?私たちは以下に配慮して、海外ベンダー様との関係性をより良くします。
期待値を揃える
ユーザーが抱えている課題に対し、どのような方向性で機能を実装する必要があるのか?そのために現状のリソースで行うべきは何か?機能の大小を問わず、プロジェクトの背後にあるこのような考え方をすり合わせることが重要だと考えております。
海外ベンダー様も開発チームの一員で、プロジェクトに貢献したいと思っておられます。だからこそ、両社の期待値を揃えた上で開発することが大切だと考えます。
開発思想の違いを認めた上で認識を合わせる
国の違いは文化の違いにもなりますが、同様に開発組織の違いは開発文化の違いにもなります。
開発のルールやアプローチ、開発資材の管理方法など、両社の考え方の違いは事前に擦り合わせた上でプロジェクトを進めた方が良いと考えます。
認識相違があった状態で開発してしまうと「当初話したものと違う」「こちらの意図が伝わっていない」「こんなはずじゃなかった」というふうに、成果物が予定していたものと違うものになってしまいます。
お互いの考え方が違うことを前提に、開発の前段階から相互理解に努めたいと思っております。
HowではなくWhyを大切にする
海外ベンダー様は一定のスキルを持った優秀な企業様です。ですので、どのように問題解決するのか?というアプローチにはいろんな選択肢をお持ちだと思います。
最終的な選択肢をどれにするかよりも大切なのは「なぜこの機能が必要なのか?」「なぜいまなのか?」といった背景の部分です。
プロジェクトの状況を鑑みて最適なアプローチを考えてもらうためにも、Whyの説明を大切にしたいと考えております。丁寧に説明を積み重ねることで、長期的な業務効率のアップにつながると信じております。
Yes butではなくYes, andを大切にする
ベンダー様とのコミュニケーションを円滑にするために、ブリッジSEが大切にすべきは「傾聴する姿勢」だと思っております。
相手の主張を最初から否定するのではなく、いったん受け止める。その上でこちらの立場を明らかにし、お互い働きやすいアプローチを考える。それによって良好な信頼関係が構築できます。
相手の発言の背後にある考え方に注目する
異文化のメンバーと仕事をするときは、日本人同士での仕事にありがちな「空気を読むこと」や「行間を読むこと」は、残念ながら難しいです。
また、英語が母国語ではない私たちだからこそ、明確なコミュニケーションを心がけ、齟齬をできるだけなくすことが必要だと考えます。
よって、相手の発言の背景にどんな考え方があるのかについても積極的に質問し、理解を深める姿勢が大切だと考えております。
異文化のチームメイトとプロジェクトを進めることは簡単なことではありませんが、プロジェクトの成功を分かち合う瞬間は、なんとも言えない達成感があります。そんな瞬間に巡り合うことを楽しみに、御社のプロジェクトにも貢献できればと思います。
御社が海外ベンダー様とのブリッジSEをご希望でしたら、お気軽にお問合せください。
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