2023.3.15異文化理解

異文化理解には忍耐が必要である

communication

オフショア開発の色々な場面で、日本人同士でのコミュニケーションとの違いにストレスを感じる日本人のビジネスパーソンをたくさん見てきました。

私は、その人たちがストレスを感じる理由に寄り添いたいと思う一方、グローバルで活躍するには、日本人が乗り越えなければならない「異文化理解の壁」がある、とも感じています。

今日はオフショア開発パートナー vs 日本人で仕事の進め方やコミュニケーションにどのような違いがあり、それをどのように乗り越えるべきかを解説します。実際に私が現場で直面したケースを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

何度も同じことを聞くオフショアチーム vs 質問は一度で済まして欲しい日本人

とある開発現場で、何度も同じことを聞いてくるオフショアチームの姿勢が理解できず、不満を漏らす日本人開発メンバーがいました。こういう不満はどの現場でも聞く「あるある」なケースです。

日本人的感覚からすると「何度も同じことを聞く = 以前の会話を覚えていないから聞いてくる」と感じ、ネガティブなイメージがあるのだと思います。ですが、海外のビジネスパーソンの場合「同じ質問をする = 再確認する = 普通にありえる会話」なので、何度も同じ質問をすることに対する捉え方がまったく違います。

以前一緒に仕事をした欧州のあるIT企業の方は、「何度も同じ質問をすることは、母国語が違うもの同士が仕事をしていく上で普通にありえる話で、何度も確認をすることでお互いの仕事の質が高まる。これは必要なプロセスだ」と主張していました。

言い換えると、あるべき姿を何度も認識合わせをしたいということであり、冷静に考えると大切な行為だなと私は感じます。

資料をまとめるのが苦手な海外オフショアパートナー vs 得意な日本人

また、とある開発案件で、私がオフショア開発パートナーの方に「プロジェクトへのCatch upを早めいていただきたいので、資料を読んでわからない点は質問にまとめておいてほしい」と依頼をしたことがあります。

数日経ってその方が作った質問ページを見てみると、中身はボロボロでまとまりのないものになっており、それを見た私は若干焦りました。そこで質問→回答を得る仕組みから案内することの必要性を感じました。

一般的には、このような形で要件定義の際に質問票を作って関係者に展開し質疑を進めると思うのですが、その方にはそういう発想がなかったのです。

質問票

このシーンに直面した私が「オフショアチームが仕組み化する方法を知らないから、仕事が進まない」と不満を述べることは簡単なことです。でも大切なのは、私も相手も「仕組み化をする方がお互い仕事がしやすい」という共通認識をもち、その上で両者にとって最善な方法を探すことだと思います。

このように、色々なシーンで「お互いが常識だと思っていることが相手にとっては常識ではない」というケースが発生するのがオフショア開発現場の日常です。その度にストレスを感じ、相手にそれが伝わってしまうのは良くないことだと思います。

ではどうすれば相手との不理解を解消していけるのでしょうか?ポイントは「相手を理解しようとする姿勢を持つかどうか」だと思います。

常識の差を埋めるコツは相手を理解しようとする姿勢があるかどうか

自分が知っている常識を相手が知らないから一緒に仕事をするのは難しい、と考えるのは少し極端な考え方だと思います。そのままの姿勢でいると、逆に日本人が少数の現場で仕事をするときに、誰もあなたのことを理解してくれなくなる可能性があります。

相手が自分と違う考えや常識を持っている時、そこには必ず理由があります。まずはそこを理解しようと相手に寄り添うことが大事です。「なぜ違うのかを知りたい」ということが相手に伝わると、相手も自分が持っている常識を披露してくれます。

まずは考え方の違いがあった時に、それを跳ね返すのではなく、一旦受け入れた上でその背景を知ろうとする姿勢を持ちたいですね。

異文化理解は忍耐の連続である

生まれた場所も母国語も違う人々とプロジェクトを共にすると、お互いの理解が進まず難しい局面も出てきます。そこでサジを投げるのではなく、「うまくいくためにはどうしたらいいか?」と、こちらから心を開いて手に語りかけていくと、道が開けます。

難しいと感じているのは自分だけではありません。そういう時はだいたい相手も同じように感じています。物事をいい方向に進めていくには忍耐が必要な場面も出てきますが、いい仕事をして成功を分かち合う瞬間を楽しみに、建設的にお互いの理解を深めていきたいですね。

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