2023.1.18ビジネス英語
アメリカの起業家でも英語プレゼンは緊張する

「英語は少し話せるが、話すと緊張するので仕事で使うのは控えている」という人がたまにいるのですが、それはもったいないと思います!
以前シリコンバレーのインキュベーションオフィスに行った際、「英語プレゼンで緊張しまくっているアメリカ人起業家」の様子を見たことがあり、そこからいろんなことを学びました。
今日は、その学びをご紹介し、準備をしっかりするだけで英語でも上手にプレゼンしたり議論できるよ!という話をします。
インキュベーションオフィス主催の「Demo day」
起業家を育成し、事業の成長を支援することを生業とするインキュベーションオフィスでは、Demo dayと呼ばれるイベントを定期開催しています。いわゆる所属スタートアップ企業のための資金調達イベントのことです。投資家向けのイベントのため、展示会での製品説明とは訳が違い、起業家にとっては資金調達の大きな機会になります。
私が訪れたインキュベーションオフィスは世界的にも有名な施設だったため、界隈では有名なベンチャーキャピタルが多数出入りしていたようです。
Demo dayのフォーマットはいたってシンプルで、施設内にステージと大画面モニターを設置し発表するというもの。客席には各社から訪れるYシャツ姿の投資家、ステージにはTシャツ姿の起業家が続々と現れ、自社プロダクトの優位性について熱っぽく語ります。中には大きな声援を受け登場する有望なスタートアップもあり、イベント全体を通じて異様な雰囲気に包まれています。
ステージ裏で試行錯誤する起業家たち
華やかなイベントで各企業の勢いを感じる素晴らしいイベントだったのですが、ステージ裏は真逆の状態でした。私はステージ裏から観察していたのでよくわかったのですが、どの起業家もとても緊張していて、表で見せる自信に満ちた姿とはまったく違う様子で過ごしていました。
緊張を和らげるために何度も深呼吸をする人や、上を見上げて考えを巡らせている人など、いろんな人がいました。中でもなるほどなぁ、と思ったのは、発表直前まで一生懸命プレゼンの練習をする起業家の姿でした。
自分が作ったカンペを読み込んだ後に、何度もカンペなしで壁に向かってプレゼンを練習したり、時間内に終わるように細かな表現を変えるなど、とにかく与えられた時間内で投資家に好印象を与えるために、最大限の努力をしていました。
実際に投資家から好評だった企業の多くは、プレゼン内容も逸品でした。
評価の高い起業家はプレゼンの構成がピカイチだった
投資成功率が低く、「千三つ(せんみつ、1,000件中3件しか成功しない)」という言葉まであるベンチャー投資界隈では、いかに成功確度の高い企業に出会えるかが重要とされているそうです。起業家の視点で言い換えると、自社をいかに有望に見せられるかが重要。それを理解している起業家は、プレゼンの構成まで素晴らしい内容でした。具体的には、以下5つのポイントを抑えた内容になっていました。
- ・ユーザーのどの課題に向き合うかが明確
- ・製品説明がわかりやすく、無駄がない
- ・今後の展望が明確
- ・投資家から資金以外でどんな支援を希望しているかを明示
- ・プレゼン後のQ&Aもしっかり準備
やはり高評価のスタートアップには、その後のネットワーキングセッションでもたくさんの投資家が声をかけていました。私がこの体験から学んだことは以下2点です。
アメリカ人でも英語でのプレゼンは緊張する
そんなの当たり前だろ!?とツッコまれそうな学びですが、日本人よりもコミュニケーション力が高く、表情豊かに話すアメリカのビジネスパーソンと交流していた私にとって、この事実は大きなカルチャーショックでした。彼らはどんな状況でも、持ち前のコミュニケーション能力で準備なしに上手にプレゼンをこなすのだろうと思っていたのです。
彼らだって私たちと同じ人間で、その人にとって正念場となればやはりプレッシャーとなり、緊張する。この事実を目の当たりにできたのは、その後の私が行うグローバルビジネスにおいて安心材料となりました。
プレゼンは準備が8割
プレゼン内容と話し方の磨き込みに十分な時間をかけることが重要です。聞き手の期待値を超える内容にするにはどうすればいいか?内容は十分か?話し方は問題ないか?プレゼン後のQ&Aも対応できるか?など、いろんな方向で準備を行うことが大切だと学びました。
私がこれまで「聞き手の期待値を超えるには?」という視点でプレゼン準備をしていたかというと、正直そうでもないと思います。それよりも、「聞き手が知りたいことは何か?」にフォーカスして準備していたような気がしたため、この学びもDemo dayにいたからこそ得られたものです。
母国語が英語ではない私たちは、これらの学びをどのように活かせそうでしょうか?私は以下だと思います。
第2言語として英語を話す我々も緊張して当たり前である
グローバルなフィールドで活躍したいなら、言葉の壁はどうしたって乗り越えなければならず、避けることはできません。よって「英語を話せるけど緊張するから話すのを控える」というのはもったいないことです。
緊張するのは当たり前なので、それを踏まえどう対処していくことが自分や周りの人の役に立てるのか?という視点で行動していきたいものです。ネイティブだって正念場では緊張する訳です。正念場の時こそそれを思い出して、踏ん張りたいですね。
入念な準備が成功確率を高める
先ほどはプレゼンの成功例をお話ししましたが、英語で行われる会議の場合はどうでしょうか?例えば以下のようなポイントを準備し会議に臨むと、より良い成果を得られる会議になる可能性が高まります。
- ・事前に論点を整理する(主張したいこと、それを支える理由やファクトの整理、得たい結論のイメージ)
- ・解決策の提示、その実現性の検討、うまくいかなかった時の別案の準備
- ・相手の言うことが聞き取れなかった時、聞き直すぐらいの心の余裕を持って会議にのぞむ
上記のどれも大事なのですが、最後の「相手の言うことが聞き取れなかった時に聞き直す」ことを日本のビジネスパーソンはあまりやっていない印象があります。わからないことを聞くことを恥ずかしいことだと思っているのかもしれませんが、グローバルビジネスでは英語が母国語でない人同士が英語でやりとりすることが多く、わからないことを聞き直すことは日常茶飯事です。よって恥ずかしいことだとは思わず、積極的に聞き直すぐらいのマインドでも問題ないと思います。
この記事の中に、みなさんがグローバルビジネスの現場で頑張れるようなヒントが少しでもあれば嬉しいです。
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